Yak-28PP
A-model 1/72

旧ソ連時代、1960年頃から生産が始まったとされるYak-28のシリーズで、電子戦機として生産されたのがこのPP型です。
一説にはE型を電子戦型とする記述もありますが、正確なところは不明です。
電子戦以外にも全天候迎撃機型、偵察型、爆撃機型などのバリエーションがあり、生産数も500機近くに及びます。
しかしながら同盟国への輸出などは一切なかったことから、その存在や性能などの所見は長く不明な機体でした。
A-modelはこのYak-28を6種類もキット化しており、全世界見渡しても他に類を見ない単一機種バリエーション展開です。

A-modelはウクライナにあるメーカーで、低圧射出整形機を数台保有するメーカーです。
地元の利を生かして旧ソ連機をはじめとする超マイナーな機種を数多く製品化する、マニアにはなくてはならないメーカーです。
特にソ連の超大型機の数々を1/72で製品化するその豪快さは、他を圧倒する存在感がありますし
ソ連機独特のユニークな形状や構造は正に「未知との遭遇」です。
西側諸国に囲まれた広い国土を守る為、数多くの航空機が開発、配備されてきたというソ連のお国事情が伺えます。

そんな魅力的なキットばかりですが、製作にはこれまたそれ相当なスキルを必要とします。
最近の製品ではそうでもなくなってきましたが、この頃のキットは成形そのものが粗く、バリだらけでモールドは深さもマチマチ(モールド自体は凹彫り)、パネルラインは波打ち、
パーツの接着面はザクザク。大抵のパーツはイモ付け、原型を削ったヤスリの跡や修正したスジ彫りがそのまま残っていたりと、限りなくガレキ初期のキットの様相。
迷彩塗装やグレーなどの塗装仕上げなら多少は目をつぶって製作できますが、悲しい現実はこの時代の機体は殆どシルバー。
つまりツブシが効きません。

まずは可能な限りパーツをランナーから切り出してバリを取る「発掘作業」を楽しみます。
パーツ本来の形になったら全体を400番のペーパーでサンディング。ボコボコの表面がツルツルになっていく過程を楽しみましょう。
接着面は木片などに400番のペーパーを貼って削って整えます。
サンディングで消えそうなスジ彫りは使える部分は彫り増しを行い、うねっていたりするような部分は瞬着で埋めて彫りなおします。
そんな作業をしているとあれほど見苦しかったパーツがちゃんとくっついてカタチになっていくから不思議です。
しかも考証として正しいディテールを持つキットが殆どなので、完成すると雰囲気バツグンでかっこいいのです。

そんな工作を経て完成するのが写真のようなA-modelのキットなのです。そんなメーカーを私は「Aさま」と呼びます。














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