Yak-25RV Mandrake  Amodel 1/72

旧ソ連においてもアメリカのU-2同様、高高度偵察機が存在していた時代があります。
1959年に採用されたYak-25RVがそれです。
主にソ連の西部、南部を中心に活躍した機体で生産総数は実に155機と、このタイプの機体としては多い生産数ではないかと思います。
U-2が設計段階から高高度偵察を目的とした専用設計であったのに対して、このYak-25RVは迎撃機ベースの派生型となっています。
そのため高高度での長時間ミッションには向かない部分もあり、性能面においてはやはり専用設計のU-2とは比べるべくもない平凡なスペックとなりました。
とは言え、オリジナルから比較すれば主翼面積は2倍以上となり、長さは23.4mにもなる主翼は迫力です。
1974年まで運用され続けた後、放射能汚染測定機材を搭載するYak-25RRVが数機生産されています。
その他では実弾不使用のターゲットドローンとしてYak-25RVT、無人標的機のドローンとしてYak-25RVUへ改修された機体も存在しました。

AモデルからリリースされたこのキットはRVとRRVのコンバーチブルキットとなっており、通常配備されたRVにするか
放射能汚染測定機のRRVを製作するかはじめに選択する必要があります。
パーツは新金型によるオールニューキットで、表面のモールドなども比較的綺麗な成形クオリティです。
作例ではオリジナルモールドの浅い部分を彫りなおしたことと、全面にリベット打ちを施した内容となっています。
製作する上で一番注意するのはやはり4点支持の車輪をちゃんと接地させることでしょう。
主翼端の補助輪はその接地状態を優先して多少長さを切り詰めるなどしてしまうほうが良いと思います。
胴体にタンデム配置される前後輪も脚柱の組み付けなどの位置決めをしっかり行うと同時に、強度を考慮して真鍮線などで補強しておくことも必要です。
前後の重量バランスとしてはほんのわずかにテールヘビーな印象で、主翼端の補助輪の接地位置によっては機首が浮き上がってしまうかもしれません。
機首にはスペースが十分あるのでオモリを仕込んでおくのがベターでしょう。
細かい事になってきますが、このキットのモールド自体はRRVを基本としているようでRVとは細かな部分で違いが見られます。
拘ってその違いを再現しても誰も気づいてくれないと思うのであまり気にしなくても良いのではないかと思ったりもしますが。

AモデルかはらちゃんとRVUもキットがリリースされているので、この機体の行く末を手にとって確かめることができるというのがまたユニークです。













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