Tu-128 FIDDLER
A-mode 1/72

1959年、La-250アナコンダが開発中止となりソ連当局はかわりの迎撃機を開発することになりました。
アナコンダの開発中止が決まった翌年の1960年、代表であるラーボチキンが他界したことにより迎撃機開発を引き継いだのがツポレフでした。
ちょうどその頃、ツポレフではTu-98から発展した機体を爆撃機として開発しており、それを迎撃機として転用したのがこのフィドラーです。

全長30メートルオーバーというサイズはもちろん戦闘機としては世界最大。
元が爆撃機なので仕方ありません。
機銃などの固定武装は持たず、R-4RM・AA−5アッシュなどの空対空ミサイルを最大4発装備するのみというある種バブリーな戦闘機です。
この機体でドッグファイトをしようなどとはさすがに考えなかったようですね。
生産は1969年頃まで行われ、1970年代を中心にシベリア方面などの防空任務に就いていました。

キットの方を見てみましょう。
このキット自体は、A-modelの製品の中では初〜中期にかけての製品です。
完成時のアウトラインやディテールは非常に素晴らしいのですが、品質としては同社の最も荒っぽい時代の製品で、現在入手できる製品はそれに輪をかけています。
胴体側面などはヒケというレベルではなく波打ち状態で成形されていますし、ミサイルのランチャーレールやミサイルのフィンなどは
どこからパーツなのかわからないような勢いでバリに埋もれていたりします。
キャノピーは一体ですが、枠のモールドも殆ど消えてなくなっていますし、組み立て説明書通りに作ろうとすればかなりムリを強いられる可能性も大です。
そんなキットですので、これをちゃんと完成させることができればかなり自信がつきます。
オマケに展示会などに持っていくと「へぇ〜、ちゃんと組めるんだねぇ」などと感心されます。
巨大な図体と翼弦4分の1で56度という鬼のような後退角の主翼は正に「地球防衛隊」。
世界中見渡してもこんな飛行機他にありません。

私は始めて作ったA-model製品がこのフィドラーでしたが、写真のように完成させることができました。
おかげで他のA-model製キットを目にしても「ふぅ〜ん」と流せる余裕までできました(笑
また、このキットを作るにあたって自分に言い聞かせたのは「所詮柔らかいプラスチックが相手じゃないか、金属加工するわけでもあるまい」という事。
そう思う事で気持ちを楽に保ちながら作ることができました。

非常に難物ですが、こんなキットを完成させることができればモデラーとしてのスキルも確実に上がるはずですし
昔はどこの製品でもこれに近いようなキットばかりだったと思いますので、どこか懐かしい感じがするのも面白いです。

作例は大きな改造はしていません。
パーツを丁寧に整形して、モールドを埋めて彫りなおしたり、リベットを打ったり、ノズルのディテールをプラ材で補ったり、ミサイルのフィンをプラ板で自作したり
脚柱に補強を入れたりしたくらいです。





















inserted by FC2 system