Su-27UB FRANKER C TRANPETTER 1/72

多くの戦闘機に単座と複座があるように、フランカーにも複座はもちろんあります。
そもそも単座型に乗って一人立ちするための訓練用として用意されるパターンが多いわけですが
複座型にはそれ以外のメリットがあります。
乗る人が二人ということは、操縦する人とは別に他の作業を行う余裕がある人がもう一人いるという事です。
そこでその余裕のある人には攻撃などのシステム操作を任してしまおうというのが複座型攻撃・戦闘機のメリットになります。
そうすることで一人で何もかも任せるよりは負担が減るのでミッション成功率、生存率も上がるというわけです。
フランカーはこのUBからSu-30MKなどのマルチロール型に進化していくわけで、拡張性を得やすい大型戦闘機の長所を存分に発揮しています。
その基礎となったUBはキャノピーからテールコーンまでの美しい機体のラインが特徴的で、私個人としては単座よりもこちらのほうがより「鶴」のイメージに近い気がします。

キットを見てみましょう。
「やっと出てくれました」と多くのファンが声にした事でしょう。
私もその一人です。
トランペッター社は1/32で単座、複座、そしてSu-30も製品化しているため最も1/72に近い位置にいると思っていたのですが、なかなか現実化までは時間を要しました。
中身はフランカーのキットならどこもこのようなパーツ分割になるであろうという雰囲気で、特に目新しい事や冒険はしていません。
コクピットは計器板、サイドコンソール共にデカール仕上げと割り切った内容。
パーツ同士の合いは概ね良好ですが、レドームと胴体の接着面で段差ができることなど小さな部分で気になる事があります。
あと、絶対にどうにかしたい部分は補助インテークのシャッターです。
キットパーツは非常にピッチの狭いモールドが入ったパーツがありますが、実際は12枚のシャッターパネルなので各自でプラ板で自作しましょう。
もうちょっとしたらたぶんエデュアルドがエッチングを出してくれるかもしれませんので、急ぎでなければそれを待つのも良い選択でしょう。
そしてもう一つ。前輪のタイヤカバーから脚柱に伸びるステーがナゼか1本しか再現されていないという事。
ここも基部をプラ板で作り、ステーを真鍮線などで再現してあげましょう。
他には精神的余裕があれば、全ての脚カバーにアクチュエーターを追加してあげること。
兵装はR-27などミサイルが付属して満載にできますが、ミサイルの形状がおかしいので他のキットなどから流用をお勧めします。
弾体の白黒のゼブラカラーですが、これは訓練弾のマーキングです。
デカールはコーションもかなり付属して良い内容ですが、フィルムやインク厚が薄いためか台紙からはがすとすぐカールしてしまう傾向があります。
主翼前方、胴体側にある赤の破線で四角いデカール(B45・B24)はそのまま貼ろうとすると高確率で失敗すると思います。
面倒ですが1辺づつに切り分けて貼るのが確実です。

色々と問題点があるように思いますが、現段階で1/72複座型フランカーとしては決定版と言えるキットです。
細かい事に拘らず、まず1機作ってみてください。十分にかっこいいフランカーになるはずです。
いずれアフターパーツが充実した頃に拘りの1機を手掛けてみてはどうでしょうか?
私もまだまだ作ってみたいキットです!

作例は月刊モデルアート2012年8月号の特集で掲載された物です。
ニューキットレビュー的な意味合いも兼ねているので、比較的あっさりとした印象で製作しています。
















特集記事掲載作例です!



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