Tsybin NM-1 Amodel 1/72


NM-1はP.V.Tsybinによって計画されていたRSR(戦術偵察機)の概念実証機と呼べる位置付けの機体として開発されました。
RSRそのものは元を辿ればRSと言う爆撃機としての構想でスタートした計画が変更されて出来上がった機体でした。
NM-1は本来のRSRからわずかにダウンサイジングされた機体で、各種飛行データの採取などを目的としてテストされました。
RS計画の段階ではラムジェットエンジンを搭載する機体になる予定でしたが、当時はまだ課題が多く通常エンジンを搭載する方向でRSRに引き継がれ
NM-1もAL-5という通常型エンジンで完成しています。
降着装置においては簡素な物で前脚はスキー板のようなスキッドとなっており、離陸時は切り離し式の車輪を装備。
左右エンジン下部には車輪無しの支柱があり、恐らくフライトのたびに交換していたと思われます。

あくまでも開発サポート機という立場であるため、機体性能という面ではまったく面白味はありませんが
そのスタイリングや貴重性という面では非常に魅力のある機体だと思います。
1959年4月に初飛行を行い各種テストが始まりましたが、1961年にRSR計画のキャンセルを受けNM-1のテストも終了となりました。


このような超マイナー機をキット化したのはやはりAmodel。
同社のキットとしてはパーツの整形状態も良く、パネルラインがうねっていたりするようなこともなく
非常に好印象なキットとしてリリースされています。
製作する上でポイントになる部分をまとめてみました。
@ 前後分割された胴体の接合 → プラ版のベロを設けて接着面積を増やす。
A 完全イモ付けの主翼 → 胴体の主翼取り付け部を切り欠き、プラ板を左右に貫通させて桁とする。
B 完全イモ付けの尾翼 → プラ棒を介して接着。
C 脚関係 → 機体を4点支持の構造のため、左右エンジン下の脚柱アライメントをしっかり調整する。

となります。
主翼の前・後縁は接着しても僅かに隙間ができるため、瞬着で埋めて薄くなるよう削ってやるとシャープさが出て良いと思います。
また、このキットに限らずですが小パーツはスリ合わせなどをしっかり行ってから組みつけてやると良いでしょう。
そしてそれらの小パーツを取り付ける部分はダボ穴があってもアテにしないほうが良い場合が多く、
実機の構造面を考慮して現物合わせで取り付けしたほうが良い場合もあります。
コクピットは計器板がデカールも用意されていますが、パネルパーツに馴染ませるのが一苦労でしょう。
しかしながら小さなキャノピーのおかげで完成後は殆ど内部は見えません。
コクピット開口部自体がシートのヘッドレストと同じ位の幅しかなく、物理的にあり得ない面積なのでキャノピーの接着シロを残すくらいまで広げてやると良いでしょう。
また、シートはフロアーパーツに直付けすると高さが足りないのでプラ板で嵩上げして接着しています。
作例では全体にリベットを追加しました。比較的大きな機体であること、白とブルーという単調になりやすい色使いのためメリハリをつけてやりました。
ホワイトはクレオスのクールホワイト、ブルーは34番に65番を足したもので塗装しています。
塗り分けラインはモデラーズのマスキングテープを使っています。
完成すると思いのほか大きな機体である事がわかり、同スケールのMiG-21と並んで写真を撮るとそのサイズがよく解ります。

Amodelは初心者には正直難しい部類のメーカーですが、苦労して完成できれば何か得る物が必ずあると思います。
スキルアップやウデ試しに何か一つ作ってみるのも良いと思います。












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