MiG-31B Foxhound  ICM 1/72

1979年に生産が始まったMiG-31は、それまでの高空侵攻型戦略から低空侵攻型戦略への転換から
ルックダウン・シュートダウン能力の弱いレーダーであったMiG-25に代わる機体として配備がはじまりました。
MiG-31には戦闘機搭載型としては初のフェイズドアレイレーダーを装備し、ベースとなったMiG-25から大きな構造変更やエンジンの換装を行い
MiG-25とは似て非なる機体へと進化した機体です。
チタンやアルミニウムの使用率を上げて軽量化したことや、新型のD-30F-6ターボファンエンジンで燃費が大幅に向上しています。
当初装備されていなかった空中給油プローブもDZ型以降は標準装備となります。
B型は初期型の情報が西側のスパイによって漏洩したため、レーダーの換装や搭載ミサイルのバージョンアップなどが行われており、
生産タイプとして見れば主となるタイプがこのB型です。
現在では対地攻撃能力を付与してマルチロール型となるBM型が正式採用となり、今後も第一線で活躍が続きます。

作例キットはICMから発売されているものですが、このキットを含めちょっとややこしいOEMなどもあるため選択を間違えると失敗することになるかもしれません。
ICM製のキットも実は新金型と旧金型があり、現在の赤箱キットは新金型で流通しています。
旧金型とはパーツの分割などがまったく異なるので、胴体上面と主翼半分くらいまでが一体になっているならそれは旧金型のキットです。
パーツはわりと綺麗な凹モールドで成形されていますが、パーツ同士の合わせ部分などはいささかざっくりしている部分も見られます。
胴体は上・横・下の各面ごとで組み合わせる箱組み方式。
機首は左右ではなく上下分割となっていて、それぞれにコクピットと前輪脚庫を組み込んでから上下で接着、そして胴体へ接着となります。
コクピットはナビ席のサイドコンソールだけわずかにモールドがありますが、計器板はのっぺらぼうでデカールも付属しません。
ここは各自で対処する必要がありますが、今回はディテールを彫刻したりプラ材で再現したりしてB型の計器板としました。
が、完成したらそんなに見えなくなってしまいました。
また、HUDも再現されていないので透明プラバンでそれなりに追加しています。
機体の組み立てはさほど難しい部分はないのですが、後輪の脚柱取り付けがかなり難しくなっているので位置や角度、強度面のバランスを確保するのが大変です。
タイヤなど含め脚部はなかなか素晴らしい出来なので、変な仕上りになってしまうと台無しです。
胴体下面に付く4発のミサイルは機体にもぐるフィンを少し削ってやれば綺麗に納まってくれます。
塗装はメインのグレーはファレホAirの71051BARLEY GREYを使っています。
ちなみにクレオスなら334番が同じ色です。
レドームなどの濃いグレーは37番です。
デカールはBegemotの新製品「MiG-31Foxhound part2」を使っています。
同社のデカールは最近インクなどが新しくなったようで、対クリアー性も向上しています。
このデカールシートには初期型からBM型まで、実に50種類ものパターンが収録されています。
中にはもちろんMiGのデモンストレーターも含まれますし、機体・パイロン・ミサイルの各ステンシルも付属という豪華さ。
近年ロシア機も垂直尾翼にシリアルナンバーを記載するようになり、どうしてもこれを再現したかったので
収録パターンで唯一B型にあったものをチョイスしています。
ただしこのブルー11、図面の解説によれば離陸後墜落する事故によってパイロット、ナビゲーターと共に機体は遺失しているらしく現存していないそうな。
他にもU−2を撃墜しようとして友軍のMiG−19をミサイルで誤射してしまい、パイロットも死亡させた機体とか
あまり縁起のよろしくない機体が収録されたりしているので、気にするならば一読したほうがよろしいかと。
色々小さな面で手がかかる場面があるキットですが、全体としては非常に良いキットだと思います。
まだデカールも49種類残っているし、色々とマーキングコレクションするのも良いと思います♪













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