MiG-23PD ARTmodel  1/72

MiG-21の後継機開発においてソ連では高速化した戦闘機の戦術の考察から、
例え敵に滑走路を破壊されるようなことがあっても航空機を離着陸させられる事が重要との方向性を重視しました。
そのためには構造的にも操縦的にも複雑となるVTOL機ではなく、STOL機が相応しいとの判断からMiG-23PD(23-01)が開発されました。
単純なリフトファンエンジンを別途搭載する方式によるSTOL性確保となった機体は、主翼こそMiG-21からの流用ではあったものの
大型化した胴体や、垂直尾翼、機首などの形状は基本的に後の量産型MiG-23と通じる形状をしています。
1967年4月3日に初飛行を成功させ、STOL性能においては離陸滑走で200m、着陸で250mという見事な性能を発揮しました。
しかし、結局は並行して開発が進めれられていた可変翼型(23-11)で正式採用が決定し、リフトファン搭載機のデメリットがMiG-21の後継機としては相応しくないという判断から
14回のテストを行ったのみで開発中止となってしまいました。

ARTmodelから発売になった本キットは、同社定番とも言える一部レジンパーツを使用するパーツ構成です。
今回はシートと排気ノズル、リフトファンの排気ベーンがレジン製となり、完成時の見栄えに貢献しています。
製作事態は非常にオーソドックスなもので、特に特殊な工作や技術が必要という部分は見受けられません。
注意する所としては東欧圏の中小メーカーに代表されるパーツの合わせ、が一番かと思います。
とは言えこのARTはかなり良質な部類ですので、変に気負う事無く取り組みましょう。
作例では主翼や垂直尾翼の付け根にパテを充填していますが、何れも僅かな量で済んでいます。
また、機体全体にはリベットを追加しています。

塗装は図面では機体がグレー、ホワイト、ダミーミサイルがオレンジ、となんともアバウトな色指定となっています。
インテーク部分には青く塗られた部分がありますが、ここは縁取りの白い帯がデカールで用意されているものの、恐らくインテーク形状そのものにフィットしなさそうです。
おまけに青の部分は塗装しなければならず、デカールを使うことは考えないほうが得策です。
作例ではブルー、白帯ともに塗装で仕上げています。
ミサイルはダミー弾の為オレンジ色となりますが、やや赤みの強いオレンジとしています。
リフトファンエンジンの吸気側パネルは実機では内部が開口する仕組みのようですが、作例ではキットのパーツそのままで製作しています。
製作中、気が付かない所でキャノピーにツールウォッシュが付着したようでかろうじてパーツが使える状態でした。
ツールウォッシュはプラをあっさり溶かしてしまう劇薬なので、常日頃使う際は気をつけているのですがたまにはこんな事も起きてしまいます。
何はともあれ、風変わりなMiG-23が完成してホッとしています。











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