MiG-23M Flogger-B  1/48 TRUMPETER


MiG-23は当初、可変翼型と固定翼タイプの2種類が試作機として製作され、固定翼の機体はMiG-23PDとしてSTOL型としてテストが行われました。
実質、MiG-21の後継機として開発された機体であることや60年代から研究されてきた可変翼をはじめて採用した量産機として注目を浴びました。
MiG-23Mは70年代に入り、ソ連空軍に配備されたタイプで生産タイプとしては中期型に該当します。
可変翼は基本的に全タイプ手動式となっており、F-14のようなフラップなどを含めた自動型ではないのが特徴です。
戦闘時の後退角も決められたものになっていますが、後期方になるとその角度が変更されたり、前縁スラットのみ自動作動となるなど僅かながら改良されています。

設計当初から一定の対地攻撃能力は付与されていた機体でしたが、「ML」からは機体構造を前面改良すると共に多用途戦闘機として区別されるようになりました。
また機体の軽量化と共にR-35-300エンジンへの換装で推力重量比が大幅に改善されたため、低速からマッハ1程までの加速力はF-18をも凌ぐと言われます。
改良を重ねながら生産された総数は6000機以上に及び、年間平均にすると400機というハイペースで生産されました。
各種改良を重ね、タイプも多く存在しましたが1984年から生産された「MLD」が最終タイプとなっています。
また、対地攻撃機として生産された機首形状などが異なるMiG-27は、元々このMiG-23から発展した機体で当初はMiG-23BMという形式でしたが量産化に伴ってMiG-27と改称されました。

トランペッターから発売されたオリジナル金型のキットです。
スライド金型を多用して機体のモールドは面の変化に追従して綺麗にしっかりと彫刻されています。
可変翼は歯車方式で左右の主翼が噛み合うため、片方を動かせば連動して反対側も動きます。
歯車の部分は機体の分割を上手く利用してギヤボックスに近い状態で組めるため、主翼が変にバタバタすることもなくしっかりしています。
シートベルトや機体のAOA、ヨーセンサー、IFFアンテナなどは付属するエッチングパーツで再現されています。
その他インテーク周辺などにある小さなセンサー類もパーツ化されているため、細かい作業が多いのも特徴と言えます。
脚はその複雑な構造やレイアウトがしっかり再現されているので、難解なパズルのような脚をしっかり拝めます。

可動式のベントラルフィンは取り付け部分の軸になるピンが片方しかなかったのでプラ棒で再生してから取り付けています。
兵装は大変豊富に付属しており、8種類のミサイル+2種類の増層タンクから組み合わせを選ぶことが可能です。
パーツ精度も概ね良好で、組み立てはスムーズに進む内容となっています。
マーキングは正直寂しく、パッケージのイエロー49しか入っていません。
パイロンやミサイルを含めたコーションは充実していますが、機体上下面の情報量がやや少ない印象があります。
作例では「49」を切り離して「64」として使っています。

先に書いたように、モールドは全体的に綺麗な彫刻ですが胴体と主翼を比べると主翼が少々寂しい感じとなっています。
機体がグレー一色ということもあって、間延び防止からも主翼を中心に一部リベットを追加してあります。

その単色塗装はクレオスの308番が指定色となっています。
当時ソ連機がFSカラーを使っていたかどうかは不明ですが、ちょっと考えにくい印象もあります。
とは言うものの、作例ではその308をそのまま使って基本色としました。
スミ入れはタミヤのエナメルでブラウンをメインに使用。
スミは完全に拭き取ることはせず、表面に少し影響が残る状態で終わらせます。
パネルごとに軽く退色を施し、パネルライン・リベットラインに軽くスモークグレーを乗せて最後にツヤ消しクリアーでコートします。

パーツの精度や組み立てに関しては大きな問題はおきませんが、塗装においては各自で実機写真をチェックする必要があります。
図面には細部の塗装指示が殆ど記載されておらず、何色なのかまったくわからないという箇所がかなり出てくるはずです。
リベットに関してはRVエアクラフトの1/72キットが良い資料になります。



















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