MIRAGE 2000N KINETIC


ミラージュ2000Nは通常兵器運用の他、核兵器運用能力を付与した機体として1983年に初飛行を成功させ
初期生産の31機を核兵器搭載専用機として製造、32号機以降からは通常兵器も搭載可能な機体として生産されました。
その後145機程まで生産総数は上がり、上記の32号機以降をミラージュ2000N−K2、その後2000年から航法/攻撃システムに自己防御器材を統合化させたミラージュ2000N-K2-4C、レコNG偵察ポッドやASMPアメリオール巡航ミサイルの運用、自己防御電子機器アップグレード等を施したミラージュ2000-K3へとアップグレードした機体も50機ほど存在しています。

また、核攻撃能力を持たないD型もあり海外向けにセールスされた経緯がありますが採用された国はなく、この機体を運用しているのはフランスだけという状況です。

キットはキネティックの製品で、同社オリジナルの新金型製品としてリリースされました。
店頭で箱を開けて中身を見たときと、実際に製作してみてその落差に愕然としたのが印象的で「地雷キット」と言っても過言ではない内容でした。
左右胴体の貼り合わせ、主翼の上下の接着と言ったブロック単位でのパーツ精度は良好なのですが、それらブロック同士を繋ぎ合わせるとなるといたるところに隙間などが発生するような状況となり、それらを埋めたりする作業に追われます。
主翼下の増層タンクも後部フィンの部分に1.5ミリくらいの隙間ができたり、主脚のアクチュエーターロッドの断面が○ではなくカマボコのような半円形状になっていたり、垂直尾翼のリベットモールドが左右で異なるなど、どう見てもCADデータの間違いと思われる場所が散見されます。
さらには脚カバーの湯まわり不良など、工程ごとに何かしらの不要な要素が出てくるという状況になりモチベーションを維持するのが大変でした。
シートなどのディテールは非常に良くできていたりする為、良い部分と悪い部分の落差が大きくもったいないキットになってしまっているのが残念です。
同社の製品は自社ブランドで継続するものと、早期に金型を手放してしまう製品とがあるようで1/48EA-6Bもイタレリに譲渡されたようです。
このキットもどうなったのか不明ですが、初回以降再生産されて入荷したというのを見かけたことがないので宙に浮いた状態なのかもしれません。
キットがこの内容では引き受け先もなかなか見つからないでしょう。
どうしても欲しいという気持ちがない限り、店頭で見かけても購入はオススメできないキットです。













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