Il-40 BROWNY A-model 1/72

イリューシンの迷作機?!という印象も個人的にありますがそれはあくまで外見のお話でして
中身がどうだったかとかはよく解らない飛行機であります。
1952年に対地攻撃機として開発されコクピットは装甲版、防弾ガラスという現代に通ずる装備でパイロットを保護する設計でした。
試作機はやや丸みを帯びた機首に地上掃射機銃を装備、プロペラがないことを除けば歴代シュトルモビクの系譜を受け継ぐスタイルをしていて
当時としてはスタイリッシュと言えるかもしれません。
しかし機銃掃射を行うと、機銃から出る排出ガスがまともにインテークから吸い込まれ、コンプレッサーストールを起こすトラブルが発生。
その対策として機首機銃の撤去とインテーク延長を行い、その後も試験結果に大きな問題もなくテストを順調に消化していきます。
当局も正式に生産にGOをかけ、先行量産型が5機作られました。
しかし折りしも戦術核兵器の運用と戦略に重点を置く方向性に傾き、Il-40はコンセプトに合わない機体とされ製造中止になります。
その後、1960年代に入りIl-42としてコンセプト化され、スホーイT5(Su-25)と対地攻撃機の座をかけて争うものの、残念ながら敗北。
さらに近代化改修したIl-102を対抗馬として持ってくるものの、再びあえなく敗退。
こうしてシュトルモビクの系譜は閉ざされることとなりました。

キットはA-modelとしては非常に綺麗な成形状態のパーツで、一瞬「え?これがA-model?」と思うほどです。
しかしながら組みだせば「あ、やっぱりA-modelだね」となるのでご心配なく。
パーツ構成として初期量産型のバリエーション展開のため、機首部分が別パーツになったりしていますがその機首と胴体の合わせ目に段差が出来やすいこと、
中央胴体下面パーツと胴体とのフィッティング部分などにいささか苦労させられます。
脚はまずまずの出来ですが、やや細長い脚のため接地させている時に振動などを与えるとヨー方向にフラフラするのでちょっとコワイです。
実機の資料があれば良いのですが、残念ながら全ての機体はスクラップになっているので現存するものが何も無く
当時撮影された画質の悪いモノクロ写真が数点のみという状態です。
そんな機体にも関わらず、キット化できるのはウクライナという地を生かしたメーカーの強みでしょうし
今後他のメーカーから新規リリースなどまず考えられない機種選択です。
苦労はしますが、このようなマイナーかつエキゾチックなキットはやはりワクワクしますね♪













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