MV-22 OSPREY(VMM-561)  HASEGAWA

オスプレイは初の実戦配備型ティルトローター機ですが、その開発は1970年代に遡ります。
原型機であるXV-15は1977年に初飛行(ホバリング)を成功させ、その後各種フライトテストをこなしていきます。
その後、1985年には機体を正式に「V-22オスプレイ」とすることが決定され、開発が進みました。
しかしその後、幾度か開発中止の危機を迎えますが開発遅延に留まることとなり、1994年には量産化が認可されることとなり
海兵隊向けのMV-22、空軍向けのCV-22が順次生産されていきました。
今後は海軍向けの機体も製造される予定ですが、生産数自体は縮小されていくこととなりますが
日本やイスラエル等数カ国が導入を検討していることもあり、それらの受注があれば現在の生産ラインはそのまま維持されることでしょう。

ハセガワから発売されたキットは、それまで唯一だったイタレリのキット内容をはるかに凌駕する内容で
量産型をしっかりとリサーチした内容となっており、飛行形態も再現できる内容などを持ち合わせるベストキットとしてリリースされました。
展示用スタンドも初回限定ではなくデフォルトで付属するアイテムとなっており、今後の製品にも同様に付属する可能性も出てきました。
パーツ構成はシンプルでありながら、細部のアンテナ類なども充実しているのでストレート組みでも十分な内容です。

胴体パーツはスライド金型を使い機体下部のディテールも再現されています。
製作時にはそれら金型に起因するパーティングラインをペーパーで取り除くのを忘れずに行いましょう。
左右に分かれた胴体はコクピットブロック、脚庫を入れてから接着します。
後部のカーゴドア上には桁も入るので接着は容易にでき、強度も不安はありません。
実はこの作例、まったく自分で気がつかない状態で後輪脚庫の向きを逆に接着してしまい、完成間際にその間違いに気付くという事態に。
おかげで当初はフラップダウンの着陸状態で製作する予定を急遽飛行状態に変更することになりました。
ところが脚庫は飛行展示用スタンドの差込口も一体成型されているため、肝心のスタンド差込穴も位置がずれて姿すら見えません。
しかし接続穴を開口して差込パーツも大きいタイプを使うことで無事に飛行姿勢でまとめることができました。

パイロットフィギュアは新規で起された物で、パイロットは両腕と頭部、コパイロットは頭部のみ別パーツという構成で
ディテールもなかなか良い雰囲気に仕上がっています。
パーツのランナーが2枚あるため、フィギュアは1キットに4体付くことになるので、他の機体などに流用もできます。

主翼の取り付けは胴体中央に接続ピンのような部分がありますが、この基部の丸い凸状の土台は主翼格納時の回転軸になる部分で実機と同じ位置にあります。
主翼と胴体の接続面を見ると回転する構造故に分割ラインが左右対称ではなく独特の形状となっていますが、この部分を正確に再現した始めてのキットがこの製品だと思います。
※イタレリはまっすぐなラインで分割しています。

塗装は大半をキット指定に準じて行っています。
ポイントとしては3色迷彩なのでマスキングをどうするかという部分ですが、胴体はマスキングテープを使い、エンジンナセルはマスクゾルを使って塗り分ける方法です。
インテーク内部のホワイトはグレー迷彩を塗り終えてからマスクゾルでモールドに合わせてマスキング、その後ホワイトを吹きつけています。
主翼前縁のブラックは下面が凸凹の塗り分けとなりますので、モールドに合わせた1ミリ幅のマスキングテープをチマチマと貼ってマスキングしてきます。
パイロットフィギュアは完成後もよく見えるので、乗せる場合は手を抜かず塗装することをお勧めします。

マーキングは今回はエクストラデカールを使い、はじめて日本に搬入された時の飛行隊VMM-561をチョイスしました。
現在のVMM-265は「竜」の文字だけでちょっと味気ないという個人的感想もあり、ちょっと残念。
ステンシルはキットのデカールを使用しています。
プロップローターはかなりデカールを貼る箇所があり、かつ非常に小さなデカールが多いので初心者にはちょっと難しく感じるかもしれません。
ブレードのエッジは一部、8番シルバーの指示がありますが今回はハセガワのチタンフィニッシュを貼ってみました。
図面にはブレードの原寸図が記載されているので、それで長さを拾ってカットしています。
ブレードの厚みを考慮することや巻き込む貼り方をするので、幅は3ミリ程としています。

側面の丸・四角の窓になるクリアーパーツは最後に接着しますが、極力機体内部に落とさないよう注意しましょう。
うっかり内部に落とすと取り出すのが大変です。
そういったムダな苦労を避けるためにもカーゴドアを最後にとりつけるのも良いかもしれません。

全体としては高いスキルを必要とするような部分もなく、良くまとまり良くできたキットです。
まだデカールもたくさんあるので、別マーキングの機体を色々作る予定です(^-^)
















inserted by FC2 system