EURO FIGHTER TYPHOON EF-2000  HASEGAWA


欧州諸国ではそれまで運用してきたジャギュア、F-104等の後継機開発をそれぞれが行っていました。
それが1979年になるとイギリス、西ドイツが共同開発を行う事となりイギリスはBAEが、ドイツはメッサーシュミットが担当企業になりました。
そしてフランスのダッソー社が参入すると、イタリアとスペインもこの共同開発に参加することでプロジェクトは大きくなっていきました。
途中、国内財政問題や要求機体仕様などの意見相違などからフランスが離脱。
その後さらに東西ドイツ統合による国内インフラ整備に多額の予算が必要となった西ドイツが離脱と、プロジェクトはさまざまな困難に遭遇します。

多岐に及ぶ難題を克服して完成したタイフーンは1994年3月27日、無事に初飛行を成功させる事となります。
開発国向け生産機は3段階に分けて製造され、それぞれトランシェ1〜3の区分となります。
その各トランシェ内にブロック分けされるかたちで細かな仕様が分けられています。
初期に生産された機体でも後にアップデートされている機体が多数ある為、一見しただけでは正確な区分・ブロックを拾い出すことは非常に困難です。

機体は構造材の70%程が複合材で作られており、強度と軽量化を両立しつつトーネードのおよそ2.2倍の出力を誇る強力なエンジンによって
スーパークルーズも可能であると共に低空でも高空でも高いパワーフィーリングを得ています。
ハードポイントは13箇所と、その搭載容量はA-10と変わらない7トン強ものペイロードをもっており、なおかつ対地攻撃兵装を投棄せず対空戦闘を遂行可能という
脅威のパフォーマンスを持ち合わせています。
この特徴を「スイングロールファイター」という表現にすることで「マルチロールファイター」より優れているとメーカーはアピールしています。

米軍等との共同演習においても相互運用性において何の問題もなく、運用できる兵装を見てもAIM-120など西側兵器の運用能力を持っています。
航空自衛隊のF-X選定ではメーカーの懸命なアピールがあったものの、残念ながら落選してしまいましたが
F-4の任を受け継ぐ機体としてはF-35よりも適任では?という意見も多く、表には出せずとも「隠れタイフーン推進派」が実は関係者に多かったという話もあります。


キットに目を向けてみましょう。
久しぶりのヨーロッパ機新金型製品です。
製品化発表は5月のホビーショーですでにありましたが、当初はレベルがあるのに大丈夫なのか?とも思いましたが
いざ発売されてみるとやはりハセガワ製品、非常に好調な売れ行きのようで一安心です。

今回の作例は月刊モデルアート2013年1月号に掲載されたものです。
Su-33の時はアイマス機先行発売でしたが今回は通常版からの発売ということでしたので、組立て説明書もなければデカールもないという状態での製作となりました。
しかも機体の塗装に関しては基本色が1色だけ確定している状態という事でしたので悩み所満載でした(笑
とは言え原稿の締め切りが延びるわけでもないので頂いた多数の資料や、ストックのレベル製キットなどさまざまな資料をチェックしながら製作していきました。

製作する上でのポイントはインテーク部分の塗装と組立て順序が大きなポイントの一つかもしれません。
胴体パーツ側には押し出しピン跡があり、インテーク内部側面に位置しているので埋めておきます。
インテーク内部はホワイトなので、ホワイトだけを塗装して組んでしまうと形状などから後からのマスキングは大変面倒になってしまいます。
そのためホワイトとグレーの塗り分けはパーツ段階で済ませておけば後々の工程でかなり楽になります。
タイフーンの機体塗装は胴体、レドーム、垂直尾翼の一部くらいしか色の差異がないため、大きなデルタ翼と相まってスミ入れしなかったりすると非常に間延びしやすいです。
スペシャルマーキング機などでなければ各自工夫してメリハリを出すように工夫すると更に良い作品になると思います。











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