Befiev VVA-14 MODELSVIT


ロバート・バルティーニによるデザインの下、VVA-14は対潜哨戒機や救難任務を想定した機体として
1970年に開発が始まりました。
エクラノプランの一つという認識が一般的ですが、本機は高空飛行も可能な機体であるため他のエクラノプランとは
一線を隔す機体であったと言えるかもしれません。
1972年には最初のVVA-14−M1がベリエフの工場で完成し、1972年9月に初飛行を行いました。
機体にはあえて民間籍であるかのようにSSSR-19172とアエロフロートのマーキングを書き込むなどの偽装が施されました。
初期の段階では空力特性や飛行安定性、後に予定されてる垂直離着陸化へ向けた各種性能試験が行われました。
しかしVTOLとするためのリフトエンジンは調達することなく、同試験は不可能となりました。

1974年になるとVVA−14-M2として水面からの離発着が可能な機体となり、機首へのエンジンを追加、フロートを装備するなど
改修を行い、水陸どちらからでも運用可能な機体へ変化していきました。
本来であればM3と呼ばれる段階でリフトエンジンとフライバイ・ワイヤによるVTOL化、完全武装という目標があったものの
1974年にバルティーニが他界すると開発が滞るようになり、107回の飛行回数を残して開発は終了となりました。

ウクライナのモデルズビットから1/72で発売になった本機は、全スケール通して初のインジェクションキットです。
比較的大きな機体であることや独特の機体形状のため、分割がどのようにされているか興味がありました。
平べったい中央胴体は機首を除いて上下分割、サイドポンツーンは左右分割となっており「なるほど」と納得できるパーツ構成です。
大きな中央胴体にはサイドポンツーンまで絡む桁が入る構造になっている為、完成後の強度も配慮した設計がされており安心感があります。
コクピットはタンデム配置の内部を再現しています。
計器版はデカールによる再現ですが、完成後は殆ど見えない後部座席までしっかり再現しています。
パーツの精度自体はまずまずと言ったところで、接着面を軽くサンディングするなどすればちゃんと合うようになってくれました。
大きなヒケやバリなどはなく、同社のキット水準範囲の内容となっています。
作品はディテールのない脚庫にプラ材などでディテールを追加、コクピットの計器版に配線を施してピトー管を真鍮パイプに置き換えています。
また、全体にリベットを打ち込んで間延びしないように情報量を上げてみました。
塗装はキット指定の色を使い、パステルやスモークグレーなどでウエザリングを施して仕上げています。
ちなみにウインドウのマスキングシールが付属しますが、窓枠のモールドに合わない部分が多く、正直なところ使い物になりません。
作例ではハセガワのアプリケーションシートを使ってマスキングしました。
タンデム配置の車輪とサイドポンツーンから伸びる補助輪をそれぞれ接地させるよう、アライメントをしっかり調整しないと完成後に残念な気分になるので
補助輪の角度決めは最後に行うのが最も確実です。
















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