BOEING 787-8 DREAM LINER(ANA)  HASEGAWA


ボーイングでは2001年からそれまでのB-777に代わる次世代機として遷音速(音速に近い速度)の速度重視型旅客機、ソニッククルーザーを開発していました。
しかし、9.11以降の航空業界の業績不振から速度よりも効率重視という路線転換を強いられます。
そして2004年、全日空から50機の受注を受けると共に787の開発が始まります。
当初予定されていた開発スケジュールは再三再四遅れ、ローンチカスタマーの全日空や日本航空ですら損害賠償請求にまで及ぶ状況となります。
下請け業者の製造する部品やコンポーネントの品質不良、コストダウンに伴うトラブル、一部設計のやりなおしなど原因は多岐に及びました。
複合材を多用した従来の旅客機とは異なる設計や製造プロセスも遅れの要因として考えられます。
そんな苦労もあって2009年12月、チェイス機を随え初飛行を成功させます。
その後2010年8月には搭載エンジンのロールスロイストレント1000がテスト中に爆発、2010年11月にはテスト飛行中の2号機で
配電盤から火災発生で緊急着陸など苦労は続きました。
そして2011年7月にはローンチカスタマー特権の国内実飛行が実施され、日本各地で空港施設とのマッチングテストなどが実施されました。
2011年9月25日、ボーイングのエバレット工場で無事に初号機の引き渡しを受け2011年11月1日、羽田 - 岡山・広島線で世界初の国内線定期便運航を迎えました。


キットはハセガワ旅客機スタンダードスケールの1/200。
久しぶりに作る旅客機キットでしたが、胴体内部に桁を入れたり「作りやすさ」という部分でささやかな進化が見られます。
従来旅客機キットはいささかスケールモデルとは異なる「ソリッドモデル」的な雰囲気があって、細部のディテールや情報量という部分では
戦闘機などのキットに比べて見劣りするパターンとなっている印象でした。
しかしながら、この787においてはそんな印象が少し変わりました。
胴体や主翼など、パネルラインやディテール情報量がかなり上がっていたり、デカールも今までならスルーされていたような細かなステンシルもかなり再現されています。
1/200でありながら、出来る限りのスケール感を盛り込んだという感じでしょうか。
エンジンも独特な形状を巧みなパーツ分割で再現しており、組んでいて楽しい部分でもありました。

塗装はいつも通り、シルバーをベースに吹き付けてから白を立ち上げます。
繊細なスジ彫りの細かなモールドが多数あるので、それを埋めてしまわないよう気をつけながら発色させます。
胴体下面のグレー、翼前縁のシルバーを綺麗に塗り分け、デカールを貼っていきます。
大きなデカールは問題ありませんが、主翼と尾翼に貼るウォークウェイの黒いラインはとても細く、慣れていない方には難しい部分だと思います。
焦らずじっくり作業しましょう。
デカールの乾燥を見てツヤ有りクリアーでトップコートします。
乾いたら肌の状態を見てコンパウンドなどで軽く磨いてツヤを出せばピカピカ綺麗なドリームライナーの完成です♪







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